Bの戦場 さいたま新都心ブライダル課の攻防 ゆきた志旗
こんにちは!ももです。
今回は、ゆきた志旗さんの「Bの戦場 さいたま新都心ブライダル課の攻防」(集英社オレンジ文庫)の感想です。
Bの戦場 さいたま新都心ブライダル課の攻防 (集英社オレンジ文庫)
- 作者: ゆきた志旗,伊東フミ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2016/12/16
- メディア: 文庫
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2016年、集英社のノベル大賞を受賞した作品です!
舞台は、さいたま新都心のホテル、ルミエ新都心、ブライダル課。
そこでウエディングプランナーとして働く、北条香澄。
彼女は、絶世の美女ならぬ「絶世のブス」でした。
(表紙や挿絵は、香澄の顔が見えないように描かれています)
でもそんな自分にめげず、お客様の末永い幸せを願って活躍する、気立ての良い女の子です(#^^#)
ある日、ブライダル課に新しい課長がやってきます。
絶世の美男子にしてエリート、久世課長。
香澄は自分の容姿と比べ、久世課長に引け目を感じてしまいます。
しかし、久世課長は、「意識高い系のB専」を自称する変人だったのです…
「つまりブスこそが究極の存在、最高の女性とはブスだと僕は悟ったんです。あ、誤解しないでください、ブスなら誰でもいいというわけじゃありません、もちろん内面も大切です。美しい内面と醜い外見を併せ持つ、そんな完璧な女性を探し求めていたんです。…」(69ページ)
B専もここまでくると何も言えません…(゚o゚;
そんな課長に振り回されながらも、色々な事情を抱えたお客様のために奮闘する、努力家の香澄。
本当に、魅力的で応援したくなる主人公です!
展開も予想外で、一気に読めました。
話の運び方が上手い(*´∀`*)b
よし、明日も頑張ろう!と香澄から元気をもらえる、お仕事小説です。
個人的には、ドラマ化しても面白いと思います(*´ω`*)
楽しく読めた作品でした。
清須会議 三谷幸喜
こんにちは!ももです。
朝晩、やっと涼しくなってきました。
秋が少しずつ近づいてきています(^^)
今回は、三谷幸喜さんの「清須会議」(幻冬舎文庫)の感想です。
織田家の後継者を決めるため、織田家の有力な家臣たちが清須に集まります。
情に厚く、猪突猛進な柴田勝家。
野心家で、計算高い羽柴秀吉。
慎重派で、理屈っぽい丹羽長秀。
損得に敏感で、世渡りに長ける池田恒興。
この4人の武将を中心として繰り広げられる、5日間の畳の上での戦い。
次の天下を手にするのはー…
この作品の面白いところは、物語が登場人物のモノローグ(独白)で進んでいくところです。
読者は、次々に出てくる人々のモノローグをつなぎ合わせて会議の行方を追います。
しかも、そのモノローグは、すべて現代語訳されています。
「父上、兄貴、お元気ですか。おれは元気ですよ。って、父上も兄貴も死んじゃってるんだよな、お元気はないよな。今、自分でウケちゃったよ」(59ページ)
思わずクスッと笑ってしまうようなセリフです(*´艸`)ププ
こんなふうに現代語訳されていると、昔の人達も今の私達のように、笑ったり悲しんだりしながら生きていたんだなということを強く感じます。
(当たり前のことですが…)
現代風に書かれているので、歴史小説をあまり読まない人でも面白く読めると思います!
コミカルで、楽しく読めた作品でした。
天地人〈上·下〉 火坂雅志
こんにちは!ももです。
今回は、火坂雅志さんの「天地人〈上·下〉」(NHK出版)の感想です。
この火坂さんの「天地人」は、2009年に放送されたNHKの大河ドラマの原作です。
主人公は、上杉家の家臣、直江兼続(なおえかねつぐ)。
上杉謙信の跡を継いだ上杉景勝の家老で、謙信亡き後の上杉家を守った武将です。
織田信長などの有名武将に比べて知名度は低いですが、わたしのお気に入りの武将です
( ´∀` )
兼続は、若くして上杉家の中心的存在になった、正真正銘のエリートでした。
でも、常に謙虚で主君のために一途に尽くしました。
特に、主の上杉景勝からの信頼は厚く、二人は主従を超えた強い絆で結ばれていきました。
戦乱の世の中、多くの武将は「利」を求め、周辺諸国を侵略しました。
そんな中、上杉謙信は「義」を重んじ、人として守るべき正しい道を貫きました。
その教えを受け継ぎ、景勝と兼続は上杉家を守っていくのです。
『天地人』は、そんな兼続にスポットを当て、抑制のきいた文体で激動の時代を描いています。
主人公の感情もよく伝わってきて、とても引き込まれる作品でした。
歴史小説は説明が多くて難しいイメージがありますが…
この作品は初心者でもわかりやすいように書いてあるので、戦国の雰囲気を存分に味わうことができます!
印象に残ったのは、
「天の時、地の利、人の和」
という言葉。
上 · 下巻一気に読んでしまいました(*´д`)